ドラゴン桜 (三田紀房)
「ドラゴン桜」は、受験漫画の頂点に君臨する作品です。日本の最難関大学である東京大学への合格を目指す高校生たちの奮闘を描いた本作は、受験生だけでなく、誰もが共感できる内容となっています。主人公の弁護士・桜木が、独自の教育方針で生徒たちを導いていく姿は、読む者に勇気と希望を与えてくれます。また、効率的な学習法や受験テクニックなども随所に盛り込まれており、実際の受験対策にも役立つでしょう。阿部寛さん主演でドラマ化されたこともあり、漫画とドラマの両方を楽しむことができるのも魅力の一つです。現在は続編の「ドラゴン桜2」が連載中ですので、ぜひ一緒に読んでみてください。受験生のバイブルとして、また人生の指針として、多くの人に読んでいただきたい作品です。
プラネテス (幸村誠)
漫画「プラネテス」は、宇宙開発が進んだ近未来を舞台に、スペースデブリ回収を仕事とする主人公の姿を通して、リアルな宇宙での暮らしを描いた作品です。
作中では、月面での資源開発や火星への居住施設など、宇宙開発が商業規模で行われている世界が細部まで丁寧に描かれており、読者を引き込む没入感があります。宇宙船内外の設備や、宇宙進出によって変化した世界情勢なども、リアリティを持って表現されています。
一方で、長い宇宙開発の歴史の影で生まれたスペースデブリ問題や、地上の貧困・紛争問題など、未解決の社会問題も描かれており、現実世界との関連性を感じさせます。
主人公のハチマキは、宇宙で働くサラリーマンとして、夢と現実の狭間で葛藤しながらも、自分の仕事に誇りを持って取り組む姿が印象的です。
時代が変わっても、人間同士の感情や関係性は変わらないことを感じさせてくれるこの物語は、宇宙を舞台にしながらも、普遍的なテーマを持った作品といえるでしょう。
SF好きはもちろん、人間ドラマが好きな方にもおすすめできる、リアリティあふれる宇宙漫画です。
沈黙の艦隊 (かわぐちかいじ)
「沈黙の艦隊」は、日本初の原子力潜水艦「シーバット」を乗っ取った海江田四郎が、独立国家「大和」を立ち上げる壮大な物語です。
海江田の卓越した指導力と戦略的思考は、読者を引き付けずにはいられません。彼は、アメリカ大統領との交渉や日本の議員とイギリスの保険機関との秘密の取引など、世界を巻き込んだ大胆な行動を次々と起こします。
海江田の真の目的は何なのか?彼の深海のように深く複雑な人物像が、物語に深みと魅力を与えています。
また、日米の極秘プロジェクトや国際政治の駆け引きなど、現実世界と重なる設定も興味をそそります。
「沈黙の艦隊」は、カリスマ性あふれる主人公と、世界規模の壮大なストーリーが織りなす、スリリングな海洋冒険物語です。一度読み始めたら、きっとあなたも海江田の深海のような魅力に引きずり込まれることでしょう。
テセウスの船 (東元俊哉)
「テセウスの船」は、謎解きサスペンスとタイムループが融合した斬新な設定が魅力的な漫画です。主人公の田村心が、28年前に起きた毒殺事件の真相を探るために奮闘する姿に、読者は引き込まれずにはいられません。過去にタイムスリップした心が、事件の謎を一つ一つ紐解いていく過程は、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしです。また、姿を見せない殺人犯の不気味さと、探れば探るほど深まる謎の数々が、読者の好奇心を刺激し、次の展開への期待を高めます。「テセウスの船」は、サスペンスとタイムループという一見相反する要素を見事に融合させた、独創的な作品です。ミステリー好きはもちろん、斬新な設定に惹かれる方にもおすすめの一作です。
GIANT KILLING (ツジトモ,綱本将也)
「GIANT KILLING」は、弱小チームETUの監督に就任した達海猛が、型破りな手法で改革を進めていくサッカー漫画です。スタジアムの熱気や選手の思いが読者に直接伝わってくるような描写が魅力的で、国内サッカーの面白さを存分に味わえます。
特に、1つの街クラブを題材にしたサッカー漫画は少ない中で、「GIANT KILLING」は国内サッカーサポーターの心をくすぐる描写が随所に散りばめられています。達海猛と椿大介の2人の「背番号7」の選手としての生き様は、スポーツの熱狂とプロの覚悟を見せつけられる迫力があります。
かつては日本代表のスター選手だった達海が、イングランドでの経験を活かし、ETUの監督として再起を図る姿は、読者に勇気と感動を与えてくれます。彼の型破りな戦略とカリスマ性で、負け癖のついた選手やスタッフ、サポーターたちに新たなパワーを与える様子は、まさに「GIANT KILLING」と呼ぶにふさわしい展開です。
サッカーファンはもちろん、スポーツ漫画が好きな方にも是非おすすめしたい作品です。弱者が強者に立ち向かい、奇跡を起こす過程を描いた「GIANT KILLING」は、読者の心に火をつける熱血漫画であり、スポーツの持つ感動と興奮を存分に味わえる一作です。
宇宙兄弟 (小山宙哉)
「宇宙兄弟」は、宇宙を目指す兄弟の物語を通して、人生の壮大さと尊さを描いた感動作です。主人公の六太は、一度は諦めた宇宙飛行士の夢に再挑戦します。彼の葛藤や成長の過程は、読者の心に深く響くでしょう。また、登場人物たちの生き方や考え方には、多くの共感できる点があり、まさに人生の教科書と呼ぶにふさわしい作品です。
漫画の魅力は、宇宙と兄弟という2つのベクトルが交差するところで生まれる、壮大な人間ドラマにあります。こだわり抜かれた1コマ1コマは、まるで素晴らしい小説のようです。アニメ化もされた名作ですが、漫画ならではのクスッとする瞬間や、圧倒的な宇宙の描写を味わえます。
「俺の敵はだいたい俺です」「どっちが楽しいかで決めなさい」など、心に残る名言の数々は、読者の背中を押してくれることでしょう。人生の荒波に揉まれながらも、夢に向かって突き進む姿に、勇気をもらえる一冊です。ぜひ、手に取ってみてください。
ブラックジャックによろしく (佐藤秀峰)
「ブラックジャックによろしく」は、医療現場の厳しさと医師の使命を描いた感動の医療漫画です。主人公の斉藤英二郎は、研修医として泌尿器科に配属されます。そこで出会った先輩看護師・赤城が末期の腎不全であることを知り、彼女の命を救うために腎臓移植に立ち向かうことを決意します。
医療の現場では、患者の命を救うために医師は常に難しい決断を迫られます。斉藤は、自分の腎臓を提供しようとするほどの献身的な思いを持ちながらも、医師としての責任と葛藤に悩まされます。この作品は、医療現場の厳しさと、命の尊さを考えさせられる深いテーマを持っています。
著者の佐藤秀峰氏の監修のもと、高画質の完全版として発売されたこの作品は、医療の現場で奮闘する若き医師の姿を通して、命とは何か、医師の使命とは何かを問いかけます。医療に関心がある方はもちろん、人間ドラマが好きな方にもおすすめの一冊です。
バガボンド (井上 雄彦)
「バガボンド」は、宮本武蔵という剣の道を究めんとする若者の物語だ。彼は幼い頃から周囲に疎まれ、生きる意味を見出せずにいたが、沢庵との出会いによって再び剣の道に生きる志を立てる。天下無双を目指し、吉岡清十郎や伝七郎といった強敵と戦い、時に挫折を味わいながらも、武者修行の旅を続けていく。
この作品の魅力は何と言ってもキャラクターにある。主人公の武蔵をはじめ、師匠の沢庵、ライバルの佐々木小次郎、恋人のおつうなど、個性的で魅力的なキャラクターが物語を彩っている。彼らの生き様や人間関係が、武蔵の成長と重なり合い、物語に深みを与えているのだ。
また、剣の道を究める者たちの熱い戦いや、江戸時代の雰囲気が細部まで丁寧に描かれており、読者を当時の世界に引き込んでいく。剣の理念を追求する武蔵の姿は、現代を生きる我々にも通じるものがあり、人生の指針となるだろう。
はじめアルゴリズム (三原和人)
「はじめアルゴリズム」は、数学の世界に生きる少年・関口はじめと、彼の才能を見出した老数学者・内田豊の物語です。はじめは独自の視点で世界を数字や図形として捉えており、その世界観は周囲の人々には理解されません。しかし、内田はその天賦の才に惚れ込み、はじめを導いていくことを決意します。
この漫画は、数学という一見複雑で難解な学問を、抽象的なイメージを通して読者に伝えることに成功しています。はじめの目を通して描かれる数式や図形の世界は、数学の美しさと奥深さを感じさせます。また、内田とはじめの師弟関係や、はじめと母親の心の交流など、登場人物の人間性にも焦点が当てられています。
「はじめアルゴリズム」は、数学が苦手な人でも楽しめる作品です。数学の面白さや魅力を、キャラクターの成長と共に描くことで、読者は自然と数学の世界に引き込まれていきます。数学や数学者を身近に感じられるこの漫画は、幅広い年代の方におすすめできる一冊です。
鬼灯の冷徹 (江口夏実)
漫画「鬼灯の冷徹」は、地獄の日常を描いた作品で、閻魔大王の第1補佐官である鬼灯が主人公です。地獄の内容や構造、そこで働く鬼たちの生活が詳しく描かれており、普段あまり知ることのない地獄の世界を楽しく学ぶことができます。
鬼灯や周りの個性豊かなキャラクターたちとの日常が、明るく不思議な雰囲気で描かれているのが魅力的です。絵柄も可愛らしく、亡者にとっては恐ろしい存在である鬼たちも、愛らしく描かれています。
また、古事記や神話に登場する神様たちも多く登場し、作者の豊富な知識が感じられます。地獄の様子を通して、日頃の行いの大切さを考えさせられる作品でもあります。
連載は終了してしまいましたが、地獄の世界を楽しく学べる貴重な作品です。家族みんなで楽しめるマンガなので、ぜひ一度読んでみることをおすすめします。地獄の日常を通して、私たちの世界についても考えさせられる、素晴らしい作品です。
恋のツキ (新田章)
『恋の漫画』は、倫理的に問題のある行動を取る主人公に焦点を当てた作品です。この主人公は、恋愛において非常に問題のある選択を繰り返し、読者からは「ポンコツ」と評されるほどです。彼女は、明らかに誰もが理解し共感しにくい価値観を持っており、その行動は多くのイライラやハラハラを引き起こします。
この物語は、ダメな主人公を描きながらも、実際の人間関係でしばしば目にするような、道徳的にあやふやな行動をリアルに描写しています。読者は主人公に対して感情移入は難しいかもしれませんが、彼女の物語は疑似的に「危ない橋を渡る」感覚を味わうことができます。彼女の人生に共感はできなくとも、彼女がどうなるのか見届けたくなる、そんな魅力があります。
この漫画は、モラルや倫理に挑戦するフィクションとして、読者に考えさせるテーマを提供します。主人公の行動には共感できないものの、その選択がもたらす結果や感情の動きには、ある種の興味を惹かれるものがあります。主人公の「ダメダメっぷり」を楽しむことで、自分たちの現実とは一線を画したエンターテインメントを享受できるでしょう
ピアノの森 (一色まこと)
「ピアノの森」は、荒んだ環境で育った少年・一之瀬海(カイ)が、森の中の捨てられたピアノと出会い、ピアニストとしての才能を開花させていく感動のストーリーです。
カイは、音楽教師の阿字野壮介や、世界的なピアニストの父親を持つ転校生・雨宮修平との出会いを通じて、ピアノの世界に引き込まれていきます。普段は威勢のいいカイが、大きなピアノコンクールに出る際に見せる緊張と不安な姿は、読者の心を掴んで離しません。
この作品は、音楽の持つ力と、人との絆の大切さを描いた感動作です。特に、ラストのショパンコンクールでのカイの演奏は、読者の心に深く刻まれる感動のシーンとなっています。
もし、あなたが音楽や人間ドラマが好きなら、「ピアノの森」は必読の作品です。この漫画を通して、音楽の素晴らしさと、人生の中で出会う大切な人々との絆の意味を、改めて考えさせられるでしょう。
グラゼニ (森高夕次,アダチケイジ)
「グラゼニ」は、プロ野球の裏側を赤裸々に描いた漫画です。主人公の凡田夏之介は、一流とは言えない中継ぎ投手ですが、「グラウンドには銭が埋まっている」という信念のもと、必死に生き抜いていきます。試合での活躍や年俸交渉、チームメイトとの関係など、普段は見えないプロ野球選手の生活が細部まで描かれています。特に、6回表の2-1からどの球種を投げるかなど、野球ファンでも考えたことのない場面が登場するのが魅力です。また、格差社会であるプロ野球の現実を直視させられる内容は、読む者の心に深く突き刺さります。夢と希望だけでは生きていけない、プロ野球選手の厳しい世界を知ることができる作品です。野球ファンはもちろん、スポーツに興味がない人にもおすすめできる、リアリティあふれる漫画です。
バトルスタディーズ (なきぼくろ)
野球漫画の金字塔とも言える「タッチ」や「ドカベン」など、日本には数多くの名作野球漫画がありますが、「バトルスタディーズ」は一味違った魅力を持っています。作者自身がPL学園出身という経歴を持ち、その経験を活かして描かれた超リアルな高校野球漫画なのです。
漫画の中では、強豪校ならではの厳しい上下関係や、勝利への執着心、仲間との絆など、高校野球の世界が赤裸々に描かれています。野球に打ち込む高校生の姿は、読者を引き込む魅力に溢れています。
「強育は愛、栄光への通過儀礼」という言葉に表されているように、この漫画は野球を通して人生の教訓を学ぶ物語でもあります。18人の仲間と共に甲子園を目指す主人公たちの姿は、読者に勇気と感動を与えてくれることでしょう。
高校野球に青春を捧げた人はもちろん、そうでない人にとっても、この漫画は心に響く何かを与えてくれる作品です。ぜひ一度手に取ってみてください。
ボールパークでつかまえて! (須賀達郎)
「ボールパークでつかまえて!」は、京葉線海浜幕張にあるプロ野球場を舞台にした漫画です。題名から想像するような、ギャルっぽい女の子のちょっとエッチなシーンがあるようなありがちなラブコメではありません。むしろ、野球場をめぐる様々な人々の日常を描いた、子供にも安心して読ませられる作品です。
野球そのものについては、マニアックなデータが出てくる程度で、激しい試合展開などはありませんが、選手や観客、スタッフなど、球場に集まる個性豊かな人々のストーリーが楽しめます。ビール売り子、弁当屋の看板娘、ベテラン選手とその妻、球場警備員、元メジャーリーガーなど、様々な立場の人物が登場し、それぞれの人間ドラマが繰り広げられます。
読んでいると、まるで一つの「町」のような球場の雰囲気が伝わってきて、元気になれる作品です。野球が好きな人はもちろん、そうでない人も、ボールパークという特別な空間で生まれる人々の物語を楽しむことができるでしょう。
大使閣下の料理人 (西村ミツル,かわすみひろし)
「大使閣下の料理人」は、料理の力で外交の難題を解決していく痛快ストーリーです。主人公の大沢公は、料理への情熱が人一倍強く、ベトナムの日本大使館で腕を振るいます。高級食材が手に入りにくい環境でも、倉木大使とともに政府高官や各国大使との食卓外交に挑みます。また、ベトナムの市場の人々との交流を通じて、心の通った料理を追求していきます。一方で、公の料理への没頭ぶりは家庭をないがしろにしかねないほどで、そのバランスの難しさにハラハラさせられます。さらに、物語の途中では恋愛模様も絡み、ドロドロした展開になりそうですが、うまく回避されるのが見どころです。モテる男の宿命とも言える、仕事と私生活の両立の難しさを感じさせる作品です。
ハコヅメ 〜交番女子の逆襲〜 (泰三子)
「ハコヅメ 〜交番女子の逆襲〜」は、警察官の仕事を少女漫画のようにかわいらしく描いた作品です。主人公の川合は、辞表を握りしめるほど仕事に悩む新米女性警察官。そんな彼女の交番に、美人の藤部長が配属されてきたことから物語が始まります。
二人のコンビが岡島県警を騒がせる中、警察官の日常が赤裸々に描かれています。厳しい訓練を経て警察官になっても、正義感だけでは乗り越えられない現実の壁に直面する彼女たち。面倒なことは面倒だけど、それでも今日も頑張る姿に親近感が湧きます。
作者自身の警察官としての経験から生まれる本音が随所に散りばめられており、理不尽な状況やグチも飾らずに描かれています。しかし、そんな中でも彼女たちは時々がんばる姿を見せてくれます。
少女漫画のようなかわいらしい絵柄とは裏腹に、警察官の現実を赤裸々に描いた「ハコヅメ」。警察官というよりは、愛しいおまわりさんの姿を描いた作品です。少女漫画好きの方にもおすすめできる、誰も見たことのない警察漫画です。
焼いてるふたり (ハナツカシオリ)
千尋さんの魅力にやられること間違いなし!マッチングアプリで出会った奥手な2人が、交際ゼロ日で結婚することに。毎週末のBBQで仲を深めていく、じっくり育てるスローな週末新婚BBQライフが始まります。千尋さんの可愛らしさと、2人の微笑ましい関係性に心が温まる一冊。肉とビールと好きな人がいれば、それだけで幸せ。シンプルだけど大切なことを教えてくれる、純粋に2人を応援したくなる漫画です。美味しそうに焼けていく肉を見ていると、思わずBBQがしたくなってしまうかも。千尋さんのファーストカットに惹かれて読み始めたら、きっとあなたも一気に読み終えてしまうはず!
八百森のエリー (仔鹿リナ)
漫画「八百森のエリー」は、青果の流通を担う仲卸業者を舞台に、野菜愛に溢れる主人公・エリーと個性豊かな登場人物たちの奮闘を描いた作品です。この漫画を読むと、野菜や果物に関する知識が深まるだけでなく、それらが私たちの食卓に届くまでの過程で、多くの人々が関わっていることを実感できます。直売、仲卸、スーパー、バイヤー、荷受けなど、様々な立場の人々が協力し合い、新鮮な青果物を消費者へと届ける様子は、感慨深いものがあります。また、エリーの野菜への深い愛情と知識は、読者に野菜の魅力を再発見させてくれるでしょう。「八百森のエリー」は、食や農業に関心がある人はもちろん、仕事や人間関係に悩む人にもおすすめの作品です。きっと、野菜の見方が変わるだけでなく、仕事への情熱や周りの人々との絆の大切さにも気づかされるはずです。
働きマン (安野モヨコ)
「働きマン」は、仕事に情熱を注ぐ28歳の独身女性編集者・松方弘子の奮闘ぶりを描いた漫画です。弘子は週刊『JIDAI』編集部で、編集長や同僚たちと共に良い雑誌を作るために日夜努力しています。仕事に没頭するあまり、私生活は二の次になりがちですが、それでも「30歳までに編集長になる」という夢を叶えるため、"男スイッチ"を入れて『働きマン』となり、全力で働き続けます。この漫画は、仕事に真剣に向き合う人々の姿を生き生きと描き出し、働くことの面白さや難しさ、そしてやりがいを読者に伝えてくれます。時には悩み、誰かとぶつかることもありますが、弘子の一生懸命に働く姿は、読む人に勇気と感動を与えてくれるでしょう。社会人の日常や人間関係、仕事への向き合い方など、共感できる部分が多くあるはずです。仕事と私生活のバランスの難しさに悩みながらも、夢に向かって突き進む弘子の姿は、働く全ての人に元気とパワーを与えてくれる作品です。
定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ
漫画「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」は、小遣いという身近なテーマを通して、他人の生き方や考え方を垣間見ることができる楽しい作品です。私たちは普段、他人の小遣いの使い方を知る機会がほとんどありませんが、この漫画では様々な人々のライフスタイルやライフハックが描かれており、新たな発見や気づきがあるはずです。
全ての方法が自分に合うとは限りませんが、アイデア次第で生活の質を上げられる可能性を秘めています。この漫画を読むことで、自分の人生を見つめ直すきっかけになるかもしれません。時代を反映した様々な工夫やアイデアは、読者の皆さんの生活をほんの少しだけでも変えてくれるかもしれません。
「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」は、小遣いという身近なテーマを通して、他人の生き方に触れ、自分自身を見つめ直すことができる素晴らしい作品です。ぜひ一度手に取ってみてください。きっと新たな発見や気づきがあるはずです。
へうげもの (山田芳裕)
「へうげもの」は、戦国時代を舞台に、武士としての功績と茶の湯への情熱の間で葛藤する主人公・古田左介の物語です。左介は、織田信長に仕えながら、名器と呼ばれる茶道具の収集に夢中になっています。武士としてははみ出し者ですが、物に対するこだわりには共感せずにはいられません。
私自身、必要以上に良いものや気に入ったものを選んで散財してしまうことがあるので、左介の姿勢に強く引き込まれました。また、信長から学ぶ壮大な世界観と、茶聖・千利休から学ぶ深遠な精神性のコントラストも魅力的です。
「へうげもの」は、キャラクターの描き分けがはっきりしているので、話が頭に入ってきやすいのも特徴です。完結済みなので、一気に読み進められるのもおすすめのポイントです。物好きな方や、戦国時代の文化に興味がある方には、ぜひ手に取っていただきたい作品です。
聖☆おにいさん (中村光)
漫画「聖☆おにいさん」は、仏陀とイエス・キリストが現代の日本でルームシェアしながら暮らすという斬新な設定が魅力的な作品です。二人の聖人が世俗に馴染もうと奮闘する姿は、読者を爆笑させずにはいられません。時には聖人らしからぬ行動で周囲を驚かせ、日本の神様に窘められるシーンもあり、ギャップが面白さを引き立てています。また、仏陀とイエスの性格の違いが生み出す漫才のような掛け合いも見どころの一つです。彼らの日常生活では、節約に励む仏陀と衝動買いが多いイエスという対照的な一面も描かれています。宗教的な背景知識がなくても楽しめる、ユーモアあふれるストーリーが展開されます。「聖☆おにいさん」は、独創的な設定と笑いを通して世界を救おうとする二人の聖人の物語が、読者の心を温かく包み込んでくれる作品です。
ジパング (かわぐちかいじ)
「ジパング」は、現代の最新鋭イージス艦が1942年の太平洋戦争にタイムスリップするという設定で、歴史改変の可能性と、現代人の過去への優越感や科学技術への盲信を問いかける作品です。作者のかわぐちかいじ氏は、丹念な資料収集と傍証の積み重ねにより、仮想的な物語を昇華させ、現代の右派と左派の空論を痛快に否定しています。また、主人公の門松の視点を通して、大東亜戦争を目の前に広がる現在進行系の戦争として実感させ、戦争の本質や平和の意味を考えさせます。この作品は、単なるタイムスリップ物ではなく、現代の私たちに憲法の意味や自衛隊の存在意義を問いかける、優れた歴史改変SF作品です。圧倒的なイマジネーションで描き出される歴史横断超大作「ジパング」は、誰もが一度は想像したであろう物語を、熟慮と検証というろ過器を通して昇華させた、読むべき作品です。
蒼天航路 (王欣太,李學仁)
漫画「蒼天航路」は、三国志の曹操孟徳を主人公とした作品で、作者の天才的な才能が遺憾なく発揮されています。序盤は特に丁寧な展開で、一つ一つのエピソードがよく練られており、読み応えがあります。
横山光輝の「三国志」を読破した人なら、必ず読みたくなる作品でしょう。曹操は中国史上に大きな足跡を残した英雄であり、その破格な生き様は天に愛された者だけが持つ輝きに満ちています。
この漫画は、その輝きによって照らし出される新たな「三国志」の物語です。曹操が主人公として描かれることで、これまでとは違った視点から三国志を楽しむことができます。
また、魏志倭人伝に日本のことが書かれていることから、日本の歴史にも大きく関係しているのも興味深いポイントです。
残念なのは、電子書籍化している会社の怠慢な仕事ぶりです。コントラストが強すぎて絵が潰れてしまっていたり、見開きの画面が綴じのところで切れていたりと、作者の渾身の作画を台無しにしています。
しかし、漫画自体は無茶苦茶面白いので、ぜひ読んでみることをおすすめします。新たな視点から三国志の世界を堪能できること間違いなしです!
チェーザレ 破壊の創造者 (惣領冬実,原基晶)
「チェーザレ 破壊の創造者」は、約500年前のイタリアを舞台に、全ヨーロッパ統一を志した実在の人物「チェーザレ・ボルジア」の活躍を描いた歴史漫画です。当時のイタリアは周辺の列強諸国による干渉にさらされ、カトリック教会も権力闘争の場となっていた激動の時代。そんな中、チェーザレは父ロドリーゴ・ボルジアやメディチ家などと手を組みながら、自らの理想を実現するための戦いを始めます。
高貴な家同士の相関関係や思想、歴史など、ちょっと難しい部分はありますが、それらをねじ伏せるくらい、この作品は面白さのパワーに満ち溢れています。「MARS」に傾倒した青春時代を過ごした方なら、時代背景は完全に別物ですが、惣領冬実先生の世界観は健在で、きっと楽しめるはず。絵も綺麗で、最高の一言です。歴史好きな方はもちろん、そうでない方にもぜひおすすめしたい作品です。
ツヨシしっかりしなさい (永松潔)
「ツヨシしっかりしなさい」は、一見ダメな末っ子に見える主人公・ツヨシが、実は家事のスーパーマンであるというギャップが面白い作品です。美人姉妹と評判の井川家ですが、実は母と姉たちは家事が全くできず、単身赴任中の父に代わってツヨシが家事を一手に引き受けています。肉じゃがやキンピラなどの料理も得意で、家事をさせれば天下無双の腕前ですが、口の悪い姉たちと母のために、その力を発揮できずにいます。しかし、そんな状況の中でもツヨシは毎日を気楽に生きています。ツヨシの能力と周囲の評価のギャップ、家族に知られざる活躍を、ツヨシの呑気なキャラクターで喜劇的に描いた作品で、「こんな弟が欲しかった!」と思わせる傑作コメディです。家事に疲れている人や、家族関係に悩んでいる人にもおすすめの一冊です。
きのう何食べた? (よしながふみ)
「きのう何食べた?」は、弁護士のシロさんと美容師のケンジという同性カップルの日常生活を、食事を中心に描いた心温まる作品です。性的な描写はなく、誰もが楽しめる内容となっています。
二人の普段の生活や、近所の人たちとの交流が等身大に描かれており、まるで自分もその場にいるかのような感覚で読み進められます。時にはシロさんの心の揺れ動きにドキドキさせられることもありますが、全体的にはほのぼのとした雰囲気に包まれています。
作中に登場する料理は、鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのことがんもとこんにゃくの煮物、栗ごはん、トマトとツナのぶっかけそうめん、鶏肉のオーブン焼き、ナスとトマトと豚肉のピリ辛中華風煮込み、いちごジャムなど多岐にわたり、レシピも紹介されているので、自分で作ってみるのも楽しいでしょう。ただし、深夜に読むと飯テロ状態になること間違いなしなので、ダイエット中の方は要注意です。
人生の様々な場面で、食事を通じて絆を深めていく登場人物たちの姿に、読んでいてただただ落ち着く気持ちになれる、そんな温かいマンガです。
コウノドリ (鈴ノ木ユウ)
「コウノドリ」は、産婦人科医の鴻鳥サクラを主人公とした医療漫画です。出産は病気ではないと思われがちですが、実は命の危険と隣り合わせであることを描いています。切迫流産や人工妊娠中絶など、様々なテーマを扱いながら、妊婦とその家族を中心にストーリーが展開します。作者の鈴ノ木は、妻の出産に立ち会った感動を伝える使命を感じ、この作品を生み出しました。主人公のモデルは、実在の産婦人科医である荻田和秀先生です。絵柄はあまり綺麗ではないかもしれませんが、内容の素晴らしさでそれを補って余りあります。若い親世代や産婦人科の医療従事者に、ぜひ読んでいただきたい作品です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けて、新シリーズも連載されました。命の誕生の現場から、感動的なストーリーが繰り広げられる「コウノドリ」は、読む価値のある素晴らしい漫画です。
紛争でしたら八田まで (田素弘)
「紛争でしたら八田まで」は、地政学リスクコンサルタントである主人公・八田百合が、世界中の様々な紛争を解決に導く物語です。八田は、地政学に基づいた知性と、ちょっとの荒技を駆使して、民族や宗教が絡む複雑な世界情勢に立ち向かいます。日本で育った私たちには、民族や宗教が戦争の原因になることは信じがたいことですが、この漫画を通して、現実の世界情勢を楽しく学ぶことができます。まだストーリーは始まったばかりですが、民族がここまで影響するのだと驚かされます。主人公の八田がどのような人物なのかも気になるところです。世界情勢を知るために、ぜひこの漫画をおすすめします。