座敷女 (望月峯太郎)
「座敷女」は、ストーカーに日常を蝕まれていく恐怖を描いた、おすすめのホラー漫画です。主人公の森ひろしは、ある夜、隣の部屋を訪れた不気味な大女に電話を貸してしまったことから、彼女に付きまとわれるようになります。「サチコ」と名乗るその女の異常な行動は、次第にエスカレートし、ひろしの周囲の人々をも巻き込んでいきます。
読者は、ひろしの視点から、日常が少しずつ崩れていく過程を体験することになります。大女の不気味さと、何が起こるかわからない恐怖が絶妙に描かれており、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。1巻完結なので、気軽に読めるのも魅力です。
ホラー漫画が好きな方、ストーカーの恐怖に興味がある方、そして普段あまり漫画を読まない方にもおすすめの作品です。ぜひ、「座敷女」を手に取って、ひろしの恐怖体験を追体験してみてください。
食糧人類 (蔵石ユウ,イナベカズ,水谷健吾)
「食糧人類」は、人類が食物連鎖の頂点から転落し、捕食される側になってしまった恐怖に満ちた世界を描いた、パニックホラー漫画です。温暖化で人間の住める場所が激減した近未来の日本を舞台に、主人公の伊江とその仲間たちが、人間を食料とする異様な施設から脱出を試みる物語は、読者を絶望と恐怖の渦に巻き込みます。
作者の緻密に作り込まれた世界観と、ページをめくる手が止まらないストーリー展開は、読者を物語に深く引き込みます。また、巨大生物や人間が解体される様子など、グロテスクなシーンが高い画力で描写されており、強烈なインパクトを与えます。
「食糧人類」は、人気漫画アプリ「コミックDAYS」で続編が連載中であり、累計発行部数は315万部を突破している大ヒット作品です。人類の存亡をかけた過酷な生存競争を描いたこの作品は、サバイバルホラー好きにはたまらない一作となっています。
裏バイト:逃亡禁止 (田口翔太郎)
「裏バイト:逃亡禁止」は、高額報酬と引き換えに命の危険にさらされる「裏バイト」に手を染める女子高生2人の恐怖体験を描いた、スリル満点のホラー漫画です。
違法行為も含むグレーゾーンのアルバイトに手を出した黒嶺ユメと白浜和美が、リゾートレストランや警備員、水族館スタッフなどさまざまな派遣先で遭遇する恐怖の数々は、読む者の身の毛をよだたせること間違いなし。
大きなコマで突然現れる恐怖描写は、ページをめくる度にドキドキとゾクゾクを味わえる、スリルにあふれた展開を生み出しています。
一風変わった設定やストーリー展開、予想外の描写など、「裏バイト:逃亡禁止」ならではの魅力が詰まった作品です。
アプリ「マンガワン」にて連載中で、"令和の最恐ホラー"と謳われ、次にくるマンガ大賞2021のWebマンガ部門で5位を獲得するなど、SNSでも話題の人気作品となっています。
スリルとサスペンスに満ちた、極限の恐怖を味わいたい方におすすめのホラー漫画です。ただし、心身に多大な影響を与える可能性があるため、閲覧には十分な注意が必要です。
惨劇館 (御茶漬海苔)
御茶漬海苔の代表作である「惨劇館」は、グロテスクな惨劇の数々を描いた短編集であり、ホラー漫画の鬼才と称される作者の真骨頂が発揮されています。1話1話が映画のように「上映作品」と書かれており、まるで映画館で恐怖体験をしているかのような臨場感があります。また、擬音をすべて吹き出し内で表現しているのが特徴的で、読者をより深く作品世界に引き込みます。
スプラッター表現が多く、恐怖を存分に味わえるのがこの作品の魅力です。例えば、「第一回 テレフォン」では、妻の高校時代の同級生からのストーカー行為と、夫の会社の社長からの電話が交錯する中で、衝撃的な結末が待ち受けています。他にも、「人蜘蛛」や「めぐみちゃん」など、独創的な設定と予測不能な展開が読者を恐怖のどん底に突き落とします。
御茶漬海苔の独特な作風に魅せられる方や、本格的なホラーを求める方におすすめの漫画です。2009年には実写映画化もされており、漫画とは異なる恐怖体験ができるのも魅力的です。強い心臓を持つ方は、ぜひ「惨劇館」の世界に足を踏み入れてみてください。
恐怖新聞 (つのだじろう)
「恐怖新聞」は、オカルト心霊漫画の金字塔とも言える作品です。主人公の鬼形礼が、毎晩届けられる「恐怖新聞」を通して、次々と超常現象に巻き込まれていく様子が描かれています。
本作の魅力は、幽霊やUFO、UMAなどの怪奇現象を、あたかも科学的事実であるかのようにリアルに描写している点にあります。読者は、まるでドキュメンタリーを見ているかのような臨場感を味わうことができるでしょう。
また、「恐怖新聞」を読むごとに寿命が縮まるという設定は、読者の恐怖心をより掻き立てる効果があります。鬼形礼が、自分の運命と向き合いながら、恐怖新聞の謎を解明しようとする姿は、読者の心を強く揺さぶることでしょう。
つのだじろう氏の代表作である本作は、1970年代のオカルトブームを牽引した記念碑的な作品です。幽霊や超常現象に興味がある方はもちろん、リアルな恐怖体験を味わいたい方にもおすすめの一冊です。
東京喰種 (石田スイ)
「東京喰種」は、人を喰らう怪人「喰種(グール)」がはびこる東京を舞台に、突然「半喰種」となってしまった青年・金木研の葛藤と成長を描いた、ホラーバトルアクション漫画です。
独特で圧倒的な世界観、緻密に張り巡らされた伏線、秀逸なストーリー構成、そして美しい画力が魅力の作品です。喰種による恐ろしい捕食シーンや、喰種と人間の壮絶なバトルシーンは、読む者を物語に引き込む要素となっています。
しかし、本作はただ怖いだけではありません。人間と喰種という異なる存在の間で揺れ動く主人公の心情や、喰種と人間の共存の可能性など、深いテーマを内包しています。グロテスクな描写の奥に隠されたメッセージ性も、この作品の大きな魅力の一つです。
「週刊ヤングジャンプ」で連載され、4700万部を超える大ヒットを記録した「東京喰種」。アニメ化や実写映画化もされた人気作品ですが、原作漫画の持つ魅力は唯一無二です。ホラー、アクション、ヒューマンドラマが見事に融合した、この名作を是非手に取ってみてください。
ゲゲゲの鬼太郎 (水木しげる)
「ゲゲゲの鬼太郎」は、戦後の日本に「妖怪」という概念を定着させた、日本を代表する有名なホラー漫画です。1954年に発表された紙芝居が原点で、長年にわたり多くの人に愛され続けています。
この作品は、鬼太郎と妖怪たちの戦いを通して、日本の伝統的な妖怪文化を現代に伝えています。水木しげる独特のユーモアとホラー要素が絶妙に融合し、子供から大人まで幅広い層に楽しめる内容となっています。
また、鬼太郎をはじめとする個性的なキャラクターたちが魅力的で、特に目玉おやじと鬼太郎の親子愛は感動的です。彼らの活躍を通して、友情や勇気、正義といった普遍的なテーマが描かれています。
「ゲゲゲの鬼太郎」は、アニメ、ドラマ、映画など様々なメディアで展開されており、その人気は衰えることがありません。日本の文化を知る上でも重要な作品であり、世代を超えて愛され続ける不朽の名作です。ホラー漫画が苦手な方でも、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと新しい発見があるはずです。
変な家 (雨穴(飛鳥新社刊),綾野 暁)
「変な家」は、一見普通の間取り図に隠された違和感と謎を追究していくミステリーホラー漫画です。主人公のオカルトライターと建築士の知人が、奇妙な間取りの秘密を解き明かしていく過程で、次第に恐怖感が高まっていきます。
家という誰もが身近に感じる場所を舞台にしているからこそ、読者は作中の出来事に強い臨場感を覚えるでしょう。一軒家やアパートなど、様々な間取りが登場するため、自分の住まいと重ね合わせて読むことができます。
原作は人気オカルトライターの雨穴による小説で、50万部を突破する大ヒットを記録しました。2024年には間宮祥太朗主演で映画化されるなど、多方面から注目を集めている作品です。
ミステリーとホラーが絶妙に融合した「変な家」は、恐怖を感じつつも真相への興味が尽きない、新感覚のエンターテインメントです。ぜひ、この奇妙な間取りの謎を、主人公たちと一緒に追ってみてください。
ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 (竜騎士07,鈴羅木かりん)
「ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編」は、ネット界を騒然とさせた大ヒットサウンドノベルを漫画化したミステリー・ホラー作品です。平和な村で起きたバラバラ殺人事件に興味を持った少年・前原圭一が、真実を追求するうちに血塗られた惨劇へと巻き込まれていく様子が描かれています。
日常の和やかな雰囲気とは対照的に、グロテスクな惨劇が次々と起こるストーリー展開は、読者を釘付けにすること間違いなしです。また、惨劇の中に散りばめられた伏線は、後の「出題編」で回避方法が明かされるなど、謎解き要素も楽しめます。
本作品から始まるシリーズは全9編に及び、アニメや舞台、実写映画などさまざまなメディアミックス展開がされています。"ゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント"とも評される傑作で、アニメファンの間でも根強い人気を誇っています。
ミステリーとホラーが絶妙に融合した「ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編」は、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと、あなたも この作品の虜になるはずです。
営繕かるかや怪異譚 (小野不由美,加藤和恵)
「営繕かるかや怪異譚」は、建物を舞台にした怪異を相手にするホラー漫画です。原作は小野不由美の人気ホラー小説で、『青の祓魔師』の著者・加藤和恵がコミカライズを担当しています。
営繕屋かるかやの大工・尾端が、住居に纏わる不思議な現象を鮮やかに解決していく短編作品が6話収録されています。不気味な存在を倒すのではなく、気持ちを汲み取り受け入れるあたたかさが本作品の魅力です。
原作ファンからも、雰囲気が合っていると評価されています。怖さのなかに、悲哀や情がある優しいホラー漫画を探している方におすすめの一冊です。
小野不由美原作の大人気小説を、『青の祓魔師』の加藤和恵が漫画化しており、住居に纏わる怪異を営繕屋・尾端がいとも鮮やかに解決に導きます。怖く、そして優しい至極のホラー短編を全六話収録しています。
こわいはなし 大人のための極上ホラー (田村由美,鯖ななこ,桜和アスカ)
「こわいはなし 大人のための極上ホラー」は、少女漫画家による秀作ホラー短編集です。増刊フラワーズの読者アンケートで人気の高かった作品を厳選し、田村由美先生の単行本未収録作『死人の記』も収録されています。
本作は、人間の怖さを描いた作品が多く、悲しみや切なさが漂う物語が魅力的です。怖いけれど面白く、やめられない極上のホラー体験ができるでしょう。
少女漫画ならではの繊細な描写と、ホラーという一見相反するジャンルの融合が新鮮で、ライトなホラーを楽しみたい方にぴったりの一冊です。怖いものが苦手な方でも、少女漫画家による作品なので抵抗なく読めるのではないでしょうか。
人間の心の闇や、恐怖の本質を探求したい方、ホラーの新しい形を体験したい方に、ぜひおすすめしたい作品集です。
魔法少女・オブ・ジ・エンド (佐藤健太郎)
「魔法少女・オブ・ジ・エンド」は、"未曾有の絶望パニックホラー"と称されている漫画です。一見かわいらしい魔法少女が、実は恐ろしい殺戮者であるという設定が特徴的です。
高校生の児上貴衣とその幼なじみ・福本つくねの日常は、ある日突然現れた魔法少女によって一変します。魔法少女は次々と生徒たちを惨殺し、学校は地獄と化します。貴衣とつくねは、生き残った仲間とともに必死で学校から脱出しますが、外の世界も魔法少女による破壊と殺戮に満ちていました。
この作品は、グロテスクな描写が多いながらも、登場人物たちの心理描写や関係性が丁寧に描かれています。また、魔法少女の存在の謎や、彼女たちが現れた理由など、物語の奥深さも魅力の一つです。
"まじかるー"と不気味に呟きながら人々を殺していく魔法少女たちは、"グロカワ"という新たなジャンルを確立しました。絶望的な状況の中で、生き残ろうとする人間たちの葛藤と成長も見どころです。
スプラッターシーンが苦手な人には向きませんが、ホラー漫画としての完成度は高く、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしの作品です。ぜひ、恐怖と絶望の世界に浸ってみてください。
黒街 (小池ノクト)
「黒街」は、引きこもりの高校生・幸一と、転職を繰り返す父親の日常に潜む不条理な怪異を描いたホラー漫画です。主人公たちが遭遇する奇妙な出来事や、不気味な雰囲気が絶妙に表現されており、読者を恐怖と笑いの間で揺さぶります。
特に、ゾンビの群れに惣菜をばら撒く父親の姿は、シュールでありながらも、現代社会の歪みを風刺しているようで印象的です。作品全体を通して、脈絡のない怪異が次々と登場しますが、それがかえって現実の不条理さを浮き彫りにしています。
「Championタップ!」で連載されていた本作は、ホラーとコメディが絶妙に融合した独特の世界観で、多くの読者から高い評価を得ています。弱者である主人公たちのサバイバルを通して、社会の闇や人間の脆さが描かれる一方で、笑いのセンスも光る作品です。
ホラー漫画でありながら、シュールな笑いも楽しみたい方には是非おすすめしたい一冊です。
栞と紙魚子 (諸星大二郎)
諸星大二郎の異色作「栞と紙魚子」は、東京郊外の胃の頭町を舞台に、美少女だが猟奇趣味のある栞と、稀少本のためなら身の危険をも冒す古本屋の娘・紙魚子の2人の女子高生が、恐ろしい怪異や奇妙な町民との交流を描いたホラー漫画です。
売れっ子ホラー作家の段一知先生とその奇妙な家族、段先生のストーカーで猟奇詩人の菱田きとら、人間の男性に化ける栞の飼い猫ボリスなど、一風変わったキャラクターたちが織りなす、恐怖とユーモアが入り混じったコミカルな物語が魅力です。
栞と紙魚子をはじめとした町民が、恐ろしい怪異を許容しながら日常生活を送る様子が描かれており、ホラー描写とユーモアのバランスが絶妙な作品となっています。
1993年から少女ホラー漫画雑誌「ネムキ」で不定期連載中で、2008年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門を受賞し、ドラマ化も果たした注目作です。
恐怖と笑いが楽しめる、諸星大二郎の傑作をぜひお楽しみください。
寄生獣 (岩明均)
「寄生獣」は、人間の脳を乗っ取り身体を操って別の人間を捕食する寄生生物と、人間との戦いを描いたSFホラー漫画の傑作です。
突如現れた寄生生物は、人間社会に紛れ込み、知らぬ間に身近な人間が寄生されているかもしれないという恐怖が漂います。主人公の新一の右手に寄生した"ミギー"との奇妙な共生関係や、人間と寄生生物の戦いは、スリリングで目が離せません。
時にグロテスクな描写もありますが、そこには環境破壊や人類の存在について問う、深い哲学的テーマが込められています。人間とは何か、生きるとは何かを考えさせられる、重厚な作品です。
1990年から1995年に連載され、1993年には講談社漫画賞を受賞。累計発行部数は2400万部を超える大ヒット作で、実写映画化やNetflixでのドラマ化も予定されている注目作です。
モンスターパニックや、人間存在の意味を問う作品が好きな方にぜひおすすめしたい、SFホラーの金字塔といえる漫画です。ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしの、圧倒的な面白さを持った作品ですよ。
恐之本 (高港基資)
高港基資によるホラー傑作選「恐之本」は、現代的な青春漫画風の絵柄の中に、鳥肌が立つような恐怖が潜んでいる正統派ホラー漫画です。不気味な恐ろしさとじっとりとした後味の悪さが特徴で、一度読み始めるとやみつきになること間違いなしです。
この暑い季節にぴったりの一冊で、エアコンなしでも涼しい気分を味わえると謳われているように、あなたを恐怖の世界に誘います。現代社会を舞台にした、身近に潜む恐怖を描いたモダン・ホラー漫画が収録されており、ページをめくるたびに、阿鼻叫喚の絶叫シーンが飛び出してきます。
ホラー漫画好きにはもちろん、普段ホラーを読まない方にもおすすめの一冊です。高港基資の巧みな storytelling に引き込まれ、夏の暑さを忘れて恐怖の世界に浸ることができるでしょう。ぜひ、この機会に「恐之本」を手に取ってみてください。
パンプキンナイト (谷口世磨,外薗昌也)
「パンプキンナイト」は、カボチャのマスクをかぶった残忍な殺人鬼による復讐劇を描いたホラー漫画です。ホラー漫画の名手、外薗昌也が原作を務め、グロテスクかつ精細な描写で読者を恐怖に陥れます。
SNSを通じて、女子高生の中谷明日美が「パンプキンナイト」という正体不明のアカウントから死の宣告を受け、惨殺されるところから物語は始まります。偶然、明日美と通話していた和也も、パンプキンナイトに狙われることになり、容赦ない復讐劇が繰り広げられます。
「LINEマンガ」で連載中の本作は、2020年にはコラボカフェが開催され、2022年には夏の最恐ホラー作品としてピックアップされるなど、人気を博しています。LINEコミックス版では加筆修正が施され、残酷なスプラッター描写がさらに増えているのも見どころです。
刺激の強い描写が連続するため、苦手な方にはおすすめできませんが、トラウマ級の恐怖を味わいたい方には是非読んでいただきたい作品です。
犬木加奈子ホラー自選集 (犬木加奈子)
「犬木加奈子ホラー自選集」は、"ホラー漫画の女王"と称される犬木加奈子の代表作を集めた一冊です。映画化もされた『不思議のたたりちゃん』の続編をはじめ、独特のタッチで描かれたキャラクターと絶妙なユーモアが織り交ぜられたホラー短編が満載。
特に女性読者から共感を得ているファンタジックなホラー作品は、恐ろしさの中にも不思議な感覚を味わえる魅力があります。「新・不思議のたたりちゃん」シリーズや「タタリ夏休み日記」、「怪子ちゃん」シリーズなど、バラエティに富んだラインナップは、ホラー好きな方だけでなく、幅広い読者層に楽しんでいただけるでしょう。
犬木加奈子ならではの世界観と、読者の心に問いかける作品の数々。ホラーブームを牽引する作家の自選集は、ホラー漫画ファンには見逃せない一冊です。ぜひ、この機会に犬木加奈子の世界に触れてみてください。
アイアムアヒーロー (花沢健吾)
「アイアムアヒーロー」は、ゾンビ漫画の金字塔と称される秀作です。主人公の鈴木英雄は、35歳の冴えない漫画家アシスタントで、現実に打ち勝つために妄想の世界に逃げ込む日々を送っていました。しかし、ある日、謎の感染症が蔓延し始め、人々がゾンビ化して他人を襲い始めます。
この作品は、ゾンビと戦うスリルだけでなく、最初はダメ男だった鈴木が勇気を出して脅威に立ち向かう姿に心を打たれる点が魅力です。サバイバルパニックホラーとしての要素が強く、非日常的な世界観の中で、主人公の成長と生き残りをかけた戦いが描かれています。
また、連載時のカラーページを復刻し、最終巻には80ページを超える渾身の描き下ろしを収録した『完全版』が発売されており、ファン必見の内容となっています。ホラー、ゾンビ、グロテスクな要素が揃った名作を読みたい方におすすめの一冊です。
憑きそい (山森 めぐみ)
「憑きそい」は、イラストレーターで占い師の山森めぐみの実体験を基に描かれたトラウマ系心霊漫画です。やわらかいタッチの絵で、背筋がゾッとするような恐ろしい物語が展開されます。
山森めぐみは、普通の主婦でありながら、他の人には見えないものが見えてしまう特殊な体質を持っています。彼女が目撃した不気味な出来事や存在を、14作品にわたって描いています。
実家のひな人形、線路に佇む怪しい影、首が曲がった赤ちゃんなど、日常に潜む恐怖を題材にした作品は、読み終わった後も心に残る後味の悪さがあります。
2022年7月にYouTubeチャンネル「都市ボーイズ」で紹介されて以来、話題沸騰中の作品集です。264ページにわたり、ほぼ描き下ろしの14作品が収録されています。
Instagramで「インスタ最恐」と評される漫画が、ついに書籍化されました。心霊系ホラー漫画の話題作に触れたい方におすすめの一冊です。
ミスミソウ (押切蓮介)
神さまの言うとおり (金城宗幸,藤村緋二)
「神さまの言うとおり」は、平凡な高校生の日常が一変する、ファンタジー要素を含んだホラー漫画です。突如現れた「だるま」や「ネコ」といった異形の存在に巻き込まれ、主人公の高畑瞬は、殺し合いのデスゲームに参加せざるを得なくなります。
人間の欲望が渦巻く中、次々と課せられる試練に挑む瞬。ゲームの完成度が高く、先の展開が気になる作品として評価されています。生きるか死ぬかの極限状態で、登場人物たちがどのような選択をするのか、ハラハラドキドキしながら読み進められます。
2011年から2012年に「別冊少年マガジン」で連載され、2013年から2017年には続編の「神さまの言うとおり弐」も連載されました。2014年には映画化もされ、多くのファンを獲得しています。
退屈な日常に刺激を求める人、サスペンスやホラー要素が好きな人、そして、生きることの意味を考えさせられる作品を探している人におすすめの漫画です。
青野くんに触りたいから死にたい (椎名うみ)
「青野くんに触りたいから死にたい」は、女子高生と幽霊の恋愛を描いた、純愛とホラーが融合した斬新な作品です。主人公の刈谷優里は、交通事故で亡くなった彼氏の青野龍平の幽霊と、死をも超越した愛を育んでいきます。
優里と青野くんの初々しくも切ない恋愛模様に胸を打たれる一方で、時折見られる恐ろしい描写とのギャップが、読者を引き込む魅力となっています。また、優里の周囲の人物も巻き込んで展開される物語は、ミステリアスな要素も含んでおり、先が読めない展開に目が離せません。
「アフタヌーン」の公式サイト「モアイ」での連載開始時には、1話で30万PVを突破するなど大きな話題を呼び、2022年には佐藤勝利主演でドラマ化されるほどの人気作です。
恋愛とホラーという一見相反するジャンルを見事に融合させた、他にはない独特の世界観を持つ本作は、新しい形のラブストーリーを求める方におすすめの一冊です。
日野日出志大全集 (日野日出志)
日野日出志の名作を網羅した短編ホラー漫画「日野日出志大全集」は、1976年のデビュー以来、ホラー漫画界の重鎮として人気を誇る作家の魅力を堪能できる一冊です。1巻には、デビュー作『つめたい汗』や代表作『蔵六の奇病』など、9編の珠玉の作品が収録されています。特に『蔵六の奇病』は、著者が約1年かけて執筆した渾身の傑作で、奇病に侵された農夫が七色の膿を絵具にして絵を描き続ける衝撃的なストーリーが展開します。グロテスクな絵柄と人間の悲哀を巧みに描いた作品は、日野日出志の真骨頂とも言えるでしょう。画業53年を迎えた巨匠の作品歴史を振り返る電子コミック全集は、トラウマ級のおぞましいホラー漫画の名作に触れたい方におすすめです。
視えるんです。 (伊藤 三巳華)
漫画家・伊藤三巳華さんの実体験を基にした、ホラーコミックエッセイ「視えるんです。」は、幽霊や不思議な存在が視える著者が遭遇した奇妙な出来事を、かわいらしい絵柄で描いた作品です。小さい頃から「幽霊団地」で育った著者は、半透明の乳母たちから恐怖と現実では理解できない世界を教えこまれてきました。そんな伊藤さんが体験した恐怖とは一体何なのでしょうか。
本作品は、怪談専門誌『幽』で掲載されたエッセイをまとめており、シリーズ累計発行部数は30万部を超える人気作品です。新装版では、カバーイラストを一新し、描き下ろしおまけ漫画「ミミカの、本日はお墓びより」も収録された豪華版となっています。
"怖かわいくって怖おもしろい"体験談が楽しめる本作は、実体験系のホラー漫画が好きな方や、サクッとホラーを楽しみたい方におすすめです。伊藤さんの不思議な体験を通して、私たちには見えない世界の一端を垣間見ることができるかもしれません。
東京伝説 (平山夢明,烏山英司)
現代社会に潜む人間の狂気と恐怖を描いた、リアルなサイコ・ホラー漫画『東京伝説』。『DINER』や「超」怖い話シリーズで知られる平山夢明の原作を、原作者公認で「魔改造」して漫画化しています。
編集者の阿川保奈美は、ある事件をきっかけに謎の少女・不識誘から「狂気」の蒐集と編纂を命じられます。以来、保奈美の周りでは不可解な事件や怪人が続発。東京に潜む1300万強の「狂気」が次々と明らかになっていきます。
一見普通に見える人物の内面に潜む狂気や、都会で起こるリアルな恐怖を描いているのが特徴。まるで自分が体験しているかのような恐怖を味わえます。
現代社会の闇に光を当て、人間の恐ろしさを浮き彫りにする本作。サイコ・ホラーファンはもちろん、現代社会に潜む恐怖を味わいたい方にこそおすすめしたい一冊です。実写映画化もされており、漫画と合わせてお楽しみいただけます。
ダンダダン (龍幸伸)
「ダンダダン」は、オカルトとUFOを巡る男女の勝負から始まる、オカルティック怪奇バトル漫画です。霊感の強い女子高生・綾瀬桃と、オカルトマニアの男子高校生・高倉健の2人が、お互いの信じるものの存在を証明するために、UFOスポットと心霊スポットへ向かうことから物語が展開します。
そこで2人が遭遇したのは、想像を超えた宇宙人と妖怪の世界。オカルト、ホラー、アクション、ラブコメなど、様々な要素が絶妙なバランスで織り交ぜられた、新感覚の漫画です。登場人物たちの掛け合いが面白く、テンポよく読み進められるのも魅力の一つ。
2021年から「少年ジャンプ+」で連載が始まり、第1話は100万PVをわずか2日で達成するなど、大きな注目を集めています。最新話が配信されるたびにTwitterのトレンドに上がるほか、全国書店員が選ぶおすすめコミックでも1位を獲得するなど、人気は急上昇中。
ホラー初心者でも楽しめるよう工夫されているので、漫画好きなら一度は読んでおきたい作品です。独特の世界観とキャラクターに惹き込まれること間違いなしの「ダンダダン」を、ぜひチェックしてみてください。
地縛少年 花子くん (あいだいろ)
「地縛少年 花子くん」は、かもめ学園の七不思議である「トイレの花子さん」こと花子くんと、彼を呼び出した女子高校生・八尋寧々が、怪異に関する事件を解決していく怪異コメディー漫画です。2014年から「月刊Gファンタジー」にて連載中で、2020年にアニメ化、2021年には舞台化もされています。
かわいらしく美しい絵、レトロで少しダークな世界観が魅力的で、恋愛やバトル、笑えるシーン、切ないシーンなど、さまざまな要素を楽しめます。ファンタジーチックでハートフルなホラーコメディー漫画のため、怖い本格ホラーが苦手な方にもおすすめです。
自分の願いを叶えるため、八尋寧々は学校の怪談に身を委ねますが、そこから始まる花子くんとの出会いと、二人が繰り広げる便所コメディーは、読者を引き込む魅力に溢れています。学園の七不思議と、オカルト少女のコラボレーションが生み出す、ユニークで楽しい物語を、ぜひ一度手に取ってみてください。
渋谷金魚 (蒼伊宏海)
「渋谷金魚」は、平凡な高校生・月夜田初の日常が、突如として渋谷に出現した"人喰い金魚"によって一変するパニックホラー漫画です。リアルに描かれた巨大金魚が人間を捕食する衝撃的な描写は、読む者にトラウマ級の怖さを与えます。
オムニバス形式で展開されるストーリーは、登場人物たちの必死のサバイバルと、徐々に明らかになる金魚の謎が織り成す、息をつく暇もない展開が魅力。ハチ公、スクランブル交差点、センター街など、渋谷の様々な場所が舞台となり、リアリティを増しています。
グロテスクな描写も含まれますが、そのような要素も含めて、極限状態に置かれた人間の本質を描き出すサバイバルホラーとして高い評価を得ています。2016年から2021年まで「ガンガンJOKER」にて連載され、完結しているので、一気に読み進められるのも魅力の一つです。強烈なインパクトのある作品を探している方におすすめの一作です。
見える子ちゃん (泉 朝樹)
「見える子ちゃん」は、ホラー要素とコメディー要素が絶妙に融合した新感覚の漫画です。主人公のみこは、ある日突然、普通の人には見えない異形な存在が見えるようになってしまいます。しかし、彼女は恐怖に怯えながらも、それらの存在を必死でシカトし続けるのです。
みこのかわいらしい見た目と、恐ろしい異形な存在とのギャップが、この作品の大きな魅力となっています。ホラー要素があるにも関わらず、思わず笑ってしまうようなコメディー要素が豊富に盛り込まれているため、ホラーが苦手な方でも楽しめる作品となっています。
Twitterで話題になった漫画が連載化され、現在は「WebComicアパンダ」で連載中です。2021年にはアニメ化もされ、多くの人々に愛される作品となりました。みこの奮闘ぶりと、彼女を取り巻く不思議な世界観に引き込まれること間違いなしです。
ホラーとコメディーのバランスが絶妙な「見える子ちゃん」は、新しいジャンルの漫画を探している方や、ちょっとした恐怖を味わいながら笑いたい方にぜひおすすめしたい作品です。
ミュージアム 完本 (巴亮介)
地獄先生ぬ〜べ〜 (真倉翔,岡野剛)
「地獄先生ぬ〜べ〜」は、90年代を代表するホラー漫画の傑作です。「鬼の手」を持つ小学校教師・鵺野鳴介が、悪霊から生徒たちを守るために戦う姿を描いた学園オカルトコメディー漫画で、友情、努力、勝利というジャンプ従来のコンセプトに加え、ホラー、都市伝説、怪談、ラブコメディ、教養、お色気など様々な要素を採り入れ、バリエーションに富んだ展開と個性豊かなキャラクターが魅力です。
悪霊を退治するアクション要素のほか、UMAやUFO、学校の怪談などのオカルトチックな要素も取り入れられており、幅広い年代から老若男女問わず多くの支持を受けました。また、テレビアニメ化やアニメ映画化、OVA化、ゲーム化などのメディアミックスも果たし、大ヒット作となりました。
続編となる『地獄先生ぬ~べ~NEO』と『地獄先生ぬ~べ~S』も発表され、根強い人気を誇っています。怪談が好きな方や妖怪退治ものの名作に触れたい方におすすめの作品です。
絶叫学級 (いしかわえみ)
「絶叫学級」は、「りぼん」で連載された人気ホラー漫画です。いじめが原因で亡くなった少女・黄泉が案内人となり、日常に潜む恐怖を1話完結のオムニバス形式で描いています。
少女漫画のかわいい絵柄とは裏腹に、ゲームから始まる地獄や復讐に燃える少女たちなど、恐ろしい出来事が次々と繰り広げられます。思わず目を背けたくなるような最恐の授業や、理想の彼氏を手作りしたことで訪れる最悪の結末など、ギャップに恐怖を感じずにはいられません。
また、いじめられっ子に出来た友達の本性や、恐怖のかくれんぼ、友人の異変など、日常が一瞬にして崩壊する様子が鮮明に描かれています。黄泉の正体が徐々に明らかになっていくのも見どころの一つです。
小学生から大人まで幅広い層に支持され、漫画賞の受賞や実写映画化もされた「絶叫学級」。正統派ホラー漫画としておすすめの一作です。
死人の声をきくがよい (ひよどり祥子)
「死人の声をきくがよい」は、霊感体質の高校生・岸田純と、幼馴染の幽霊・早川涼子が巻き込まれる怪異の数々を描いた、正統派ホラー漫画です。岸田は早川の霊に導かれ、彼女の死体を発見するなど、日常に潜む恐怖と狂気に直面していきます。
本作は、猟奇的殺人事件やエイリアンなど、様々な怪異が登場し、読者を恐怖の世界へと引き込みます。また、血しぶきが飛び散るなどの残虐な「ゴア表現」も多用され、ホラーファンにはたまらない作品となっています。
さらに、名作ホラー漫画へのオマージュも散りばめられており、ジャンルへの深い愛情を感じることができます。「月刊チャンピオンRED」での連載で人気を博した本作は、2010年代のホラー漫画界を代表する一作といえるでしょう。
ホラー好きはもちろん、日常に潜む恐怖や狂気に興味がある方にもおすすめの漫画です。ぜひ、岸田と早川が巻き込まれる怪異の世界を体験してみてください。
王様ゲーム (金沢伸明,連打一人)
「王様ゲーム」は、モバゲータウンやエブリスタで人気を博したホラー小説を漫画化した作品で、アニメ化や実写映画化もされており、小説・漫画のシリーズ累計発行部数は800万部を突破しています。
ある日、主人公の金沢伸明含むクラスメイト全員に、"王様"と名乗る人物から不可解な命令が書かれたメールが届きます。「王様ゲーム」のルールは、クラス全員強制参加で命令には24時間に従うこと、命令に従わないと罰があること、途中でやめることはできないといった残酷なものです。
最初は簡単な命令でしたが、次第にエスカレートし、従わないことは死に直結します。クラスメイトたちは生き残るため、憎み合い殺し合うという衝撃的な展開が待っています。
王様の正体の謎を解き明かしていくハラハラドキドキを味わえるだけでなく、目を覆いたくなるようなグロテスクなシーンも描かれており、ホラー漫画ファンにはたまらない作品です。
王様からの残酷な命令という斬新な設定と、生き残りをかけた登場人物たちの心理描写が見どころです。ホラー漫画の中でも一際目立つ存在感を放つ「王様ゲーム」を、ぜひ手に取ってみてください。
漂流教室 (楳図かずお)
楳図かずおの名作SFホラー漫画「漂流教室」は、異世界の荒れ果てた地に飛ばされた小学生たちの生きようとする姿を描いた作品です。殺戮・狂気・怪物など恐怖の要素が盛り込まれており、ハラハラさせられるのがポイントです。
主人公の高松翔は、明るくいたずら好きな小学6年生。ある日、母親とケンカをしたまま登校し、授業中に激しい地震に襲われます。外は岩と砂漠だけの荒れ果てた大地に変貌し、教師たちは全員亡くなってしまいます。
児童たちは、文明の崩壊によって滅んだ未来の世界だと知り、互いに協力し、大和小学校を拠点とした「国」を築くことを決意します。しかし、飢餓や未知の事象に対する恐怖心からくる狂気や内部対立、伝染病の蔓延、未来人類の襲撃などの脅威により、児童たちの数は日を追う毎に減っていきます。
常識を超越した出来事が次々と振り掛かる中、隔絶された地で、死の影と戦いながら懸命に生きる少年たちの愛と勇気が描かれています。明日なき人類の行く末を警告する、SFロマンとしても高く評価されています。
70年代を代表する、おすすめの傑作ホラー漫画です。ぜひ一度手に取ってみてください。
ガンニバル (二宮正明)
漫画「ガンニバル」は、山間にある「供花村」を舞台に、そこで起こる殺人事件や食人文化などの慣習が描かれた、「村八分」サスペンスホラー作品です。都会から供花村に赴任してきた駐在員・阿川大悟が主人公で、村の人々に暖かく迎え入れられますが、ある老婆の遺体発見をきっかけに、村の異常性に気付いていきます。
次第に、"この村の人間は人を喰ってる"という疑念に囚われていく大悟。次々と起こる不可解な事件や、村の閉塞感が緊迫感を生み出し、読む手が止まらなくなります。丁寧に描かれた迫力ある絵柄にも定評があり、恐ろしさの中にも惹き込まれる魅力があります。
2018年から2021年まで「週刊漫画ゴラク」で連載され、2022年にはディズニープラスでドラマ化もされるなど人気を博し、累計200万部を突破しています。猟奇的な恐ろしさのあるホラー作品を読みたい方におすすめの一作です。
悪の教典 (貴志祐介,烏山英司)
貴志祐介の人気サイコホラー小説を見事に漫画化した作品「悪の教典」。問題だらけの私立晨光学院町田高校を舞台に、有能な英語教師・蓮実聖司の暗躍と、その果てに起こる凄惨な事件を描いています。
原作の緻密な筆致を活かし、人間の狂気に震えるような恐怖を味わえるのが魅力。徐々に増えていくスプラッター描写にも注目です。サイコキラーものが好きな方や、原作ファンにもおすすめの一作。
2012年から2015年まで「good!アフタヌーン」にて連載され、伊藤英明主演で実写映画化もされたベストセラー作品。ぜひ、この機会に手に取ってみてください。
光が死んだ夏 (モクモク れん)
閉塞感漂う田舎町を舞台に、幼馴染の少年たちの奇妙な日常を描いた青春ホラー漫画「光が死んだ夏」。SNSで話題を呼び、若者を中心に人気を集めている注目作です。
主人公のよしきは、光が山から帰ってきた後、彼が別の「ナニカ」にすり替わっていることに気づきます。人として生きたいと望むナニカと、それでも光と一緒にいたいと願うよしきの日常が始まりますが、やがて周囲で不気味な出来事が起こり始めます。
漫画の随所に散りばめられた奇妙な演出が、作品に独特の雰囲気を与えています。不気味さと美しさが同居する世界観は、ミステリアスな物語を求める方にぴったりでしょう。
話題作を読んでみたい方、未知なるものへ引き込まれていくストーリーに興味がある方は、ぜひ「光が死んだ夏」を手に取ってみてください。きっと新しい漫画体験ができるはずです。
さんかく窓の外側は夜 (ヤマシタトモコ)
「さんかく窓の外側は夜」は、霊感を持つ書店員の三角康介と除霊師の冷川理人による心霊探偵コンビが、警察でも解決できない不可解な事件に挑むホラー・ミステリー漫画です。三角の霊を視る特異体質と、冷川の卓越した除霊能力を組み合わせ、日常に潜む恐ろしい現象を次々と解明していきます。
幽霊の描写は背筋が凍るほど恐ろしく、読者を恐怖の世界に引き込みます。一方で、除霊シーンには独特の色気があり、2人の関係性にも注目が集まります。ホラー要素とミステリー要素がバランスよく組み合わされ、読者を飽きさせません。
また、冷川の情緒不安定さや生活能力の低さを三角がサポートする凸凹コンビの掛け合いも魅力の一つ。三角の「空気読み」能力が事件解決の鍵を握ることもあり、2人の teamworkの良さが伺えます。
2013年から2020年まで「月刊MAGAZINE BE×BOY」で連載され、2021年にはアニメ化と実写映画化も果たした人気作品です。ホラーとミステリーが織りなす独特の世界観を楽しみたい方におすすめの一作です。
サユリ (押切蓮介)
「サユリ」は、怨霊に取り憑かれた一家に降りかかる恐怖を描いた、濃厚なホラー漫画です。新居に引っ越してきた神木家に次々と不幸が襲いかかり、家族が一人ずつ姿を消していく様子は、読む者の背筋を凍らせます。
特に印象的なのは、恐怖に打ちひしがれる主人公・則雄の心情描写です。家族を失っていく絶望感や、女の狂気じみた笑い声が耳に残る描写は、読者をストーリーに引き込みます。
また、後半では生き残った家族の復讐劇も描かれ、ただ怖いだけでなく、スリリングな展開も楽しめます。さらに、サユリの家族の物語も織り交ぜられ、怨霊の背景にも迫ります。
全2巻という短さながらも、濃密で印象深いストーリーが詰まった作品です。"伝説的トラウマホラー"と呼ぶにふさわしい、強烈な読後感を味わえるでしょう。ホラー漫画好きなら、ぜひ手に取ってみてください。
富江 (伊藤潤二)
伊藤潤二の奇想・恐怖の傑作集「富江」は、ホラー漫画界をけん引し続けている鬼才による衝撃のデビュー作にして代表作です。絶世の美貌を持つ川上富江に魅了され、狂気に陥っていく男たちの姿が描かれています。
富江の妖しげな魅力と傲慢な性格、そして彼女に異常な殺意を抱く男たちの心理描写は、読む者の背筋を凍らせます。何度殺害されても甦り、無数に増殖していく富江の存在は、恐怖の極みを感じさせます。
伊藤潤二の高い筆力によって生み出された、儚さと恐怖が入り混じった独特の世界観は、一度読んだら忘れられない衝撃を与えてくれるでしょう。実写映画化やドラマ化もされており、2023年にはNetflixで独占配信されることが決定しています。
ホラー漫画に興味を持ったら、ぜひ読んでおきたい伊藤潤二の代表作「富江」。この機会に、美貌の魔性の少女・富江の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
死役所 (あずみきし)
「死役所」は、生と死の境界にある不思議な役所を舞台に、様々な死者の人生を描いた異色のホラー漫画です。自殺、他殺、病死、事故死など、あらゆる死者が訪れる死役所では、ミステリアスな笑顔が特徴の職員シ村をはじめとした個性的な面々が、死者の死後の手続きや彼らの人生について向き合います。
この作品では、死者たちの生前の様子や死役所職員との交流を通して、生と死、天国と地獄、人生の意味などについて、時にユーモラスに、時に深刻に問いかけます。読者は登場人物たちと共に、人生とは何かを考えさせられる内容となっています。
基本的に1話完結のエピソード形式で読みやすく、2013年から連載が始まり、2019年には実写ドラマ化、2022年にはYouTubeアニメも制作されるなど、多くの人々に愛される作品となっています。オカルトチックな設定や死後の世界観に興味がある方、人生について考えさせられる作品を探している方におすすめの漫画です。
がっこうぐらし! (海法紀光(ニトロプラス),千葉サドル)
かわいらしい絵柄とギャップのあるストーリーが印象的な「がっこうぐらし!」は、ゾンビが蔓延する崩壊した社会の中で、学校に籠城し生き延びる少女たちの姿を描いたサバイバルホラー漫画です。学園生活部の部員である丈槍ゆき、シャベルを愛するくるみ、皆をまとめるりーさん、しっかり者の後輩みーくんの4人が、おっとりした顧問のめぐ姉に見守られながら、一見平和な日常を送っているように見えますが、ゆきの瞳に映る「幸せ」な日常は一体何なのでしょうか。物語のあちこちに散りばめられた伏線や謎が読者を惹きつけ、かわいいキャラクターたちが登場するにもかかわらず、そのギャップに震えるような読み応えのある作品です。ゾンビものが好きな方はもちろん、ホラー漫画に興味がある方にもおすすめできる、異色の作品です。
不安の種 (中山昌亮)
漫画「不安の種」は、日常に潜む恐怖を描いたオムニバスホラー作品です。一見何の変哲もない場所に突如現れる怪異を描き、読者に不安を感じさせます。毎話舞台や登場人物が変わり、数ページで展開される短編ホラーは、謎が明かされないのが特徴です。
「おちょなんさん」などの有名キャラクターも登場し、何気ない日常生活の中で突然湧き起こる理不尽な恐怖や怪異に主人公達が遭遇します。階下の暗闇に気配を感じたり、ドアごしの殺した息づかいや視界の隅に映りこんだ視線など、ざらりとした質感や気分、戦慄を感じさせる描写が魅力です。
「月刊チャンピオンRED」で連載され、続編も発表されている人気作品で、2013年には実写映画化もされました。日常に潜むホラーや、読後に不安を感じるような作品が好きな方におすすめの漫画です。
僕が死ぬだけの百物語 (的野アンジ)
「僕が死ぬだけの百物語」は、1人の少年・ユウマくんが語る100の怪談話を描いた、オムニバス形式のホラー・ミステリー漫画です。心臓を握りつぶされるような恐怖から、度肝を抜かれるようなどんでん返し、感動する物語まで、さまざまな読後感を味わえる作品が収録されています。
ユウマくんが語る怪談は、怪奇現象や幽霊、西洋の儀式、妖怪などさまざまなテイストを取り上げており、数ページでゾッとできるホラー短編を楽しめます。謎が謎を呼ぶ展開に、背筋が凍るような恐怖を感じずにはいられません。
この漫画は、Twitter上でも大反響を呼んでおり、次にくるマンガ大賞2022のWebマンガ部門にもノミネートされた注目作です。漫画サービス「サンデーうぇぶり」にて連載中ですので、ホラー好きの方はぜひチェックしてみてください。短編集なので、少しずつ読み進めていくのにも適しています。
カラダ探し (ウェルザード,村瀬克俊)
「カラダ探し」は、脱出不可能な学校を舞台に繰り広げられる、極限のサバイバルホラー漫画です。登場人物たちは、学校の怪談「赤い人」に巻き込まれ、命がけの鬼ごっこに挑まなければなりません。
この作品の魅力は、ゾッとするようなホラー要素だけでなく、登場人物たちの人間ドラマや心理ゲームなどの要素も織り交ぜられていることです。読者は、登場人物たちと一緒に恐怖を感じながら、彼らの心理状態や行動の変化を追体験することができます。
また、「赤い人」の正体や、この状況に至った真相など、謎解きの要素も含まれています。読者は、登場人物たちと一緒に真相に迫ることができ、ストーリーの奥深さを感じることができるでしょう。
デスゲーム系の作品が好きな方や、サスペンスやホラーに興味がある方には特におすすめです。ただし、かなりグロテスクな描写もあるため、苦手な方は注意が必要です。心臓の弱い方は、閲覧にご注意ください。