昨夜のカレー、明日のパン (木皿泉)
「昨夜のカレー、明日のパン」は、夫を亡くした主人公のテツコが義父のギフと二人で暮らす日常を描いた心温まる物語です。
テツコとギフは、お互いを家族として大切に思いながら、時にすれ違いながらも支え合って生きています。
そんな二人の日常に、テツコと結婚したがっている恋人の岩井の存在が影を落とします。
周囲の人々は、テツコとギフの関係を少し違った目で見ています。
しかし、二人の絆は強く、そんな周囲の目も気にせず、ただただ一緒に暮らす喜びを感じています。
テツコとギフの関係は、親子でも恋人でもない、特別な家族の形。
そんな二人の日常を、あたたかくて、ちょっぴり切ない筆致で描いた作品です。
家族の形は一つではないと教えてくれる、心に残る一冊です。
ひなちゃんの日常 (南ひろこ)
「ひなちゃんの日常」は、小さな女の子・ひなちゃんの何気ない毎日を描いた、心あたたまる漫画です。雲を眺めたり、猫やスズメと触れ合ったり、大切な人への感謝を忘れない、そんなひなちゃんの日常は、私たちに身近な物事の美しさや楽しさ、人としてあたりまえのことを思い出させてくれます。1998年の連載開始以来、長きにわたって愛され続けており、2008年には第37回日本漫画家協会賞大賞を受賞するなど、その魅力は広く認められています。手書きのセリフや絵には独特の風情があり、見ているだけで心が癒されます。日々の忙しさに疲れたとき、ほっと一息つきたいとき、「ひなちゃんの日常」を手に取ってみてください。きっと、あなたの心に優しい光が差し込むはずです。
パパと親父のウチご飯 (豊田悠)
「パパと親父のウチご飯」は、シングルファーザーである整体師の千石と漫画編集者の晴海が、それぞれ子供を引き取ったことをきっかけに、ルームシェア生活を始める物語です。2人の父親は、子育ての難しさに直面しながらも、料理を通じて子供たちとの絆を深めていきます。
この漫画の魅力は、父子家庭同士のルームシェア生活という設定にあります。互いに足りないところを補い合いながら、4人で同じ食卓を囲むことで、家族のような温かさが生まれていきます。料理を作ることは、単なる食事の提供ではなく、愛情を込めて大切な人を思うことの象徴となっています。
また、子育ての悩みや喜びを共有する2人の父親の姿は、読者に共感を呼び起こします。子供たちの成長と共に、父親たちも親としての責任と覚悟を学んでいく様子が丁寧に描かれています。
「パパと親父のウチご飯」は、家族の形が多様化している現代社会に向けた、心温まるメッセージが込められた作品です。読後は、大切な人と一緒に料理をしたくなること間違いなしの、おすすめの漫画です。
シロがいて (西炯子)
漫画「シロがいて」は、人相の悪い猫・シロと4人家族の心温まるストーリーを描いた作品です。猫を飼っている方はもちろん、家族の絆を大切にしたい方にもおすすめの一冊です。
長男・航が拾ってきたシロをめぐり、父と航の間で葛藤が生まれます。しかし、その対立を通して、お互いの気持ちを理解し合い、家族の絆が深まっていく様子が丁寧に描かれています。子どもの成長と家族の在り方を考えさせられる内容で、読み応えのある作品です。
猫好きの方には、シロの愛らしい姿と家族との触れ合いが楽しめるでしょう。また、家族との関係性に悩みを抱えている方にとっても、本作は家族の大切さを再確認できる良い機会になるはずです。ぜひ、この機会に「シロがいて」を手に取ってみてください。
柚木さんちの四兄弟。 (藤沢志月)
「柚木さんちの四兄弟。」は、両親を亡くした4人兄弟の物語です。長男の隼、次男の尊、三男の湊、四男の岳という個性豊かな兄弟たちが、それぞれの悩みや葛藤を抱えながらも、お互いを支え合い、あたたかい絆で結ばれています。
年齢も性格も異なる兄弟たちが、時には衝突しながらも、困難を乗り越えていく姿は、読む人の心を打ちます。親代わりとして奮闘する長男、しっかり者の次男、やんちゃな三男、大人びた四男など、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれています。
家族を失った悲しみや寂しさ、兄弟間の rivalryなど、リアルな感情が丁寧に描写されており、登場人物たちに感情移入しやすいでしょう。そして、困難な状況の中でも、兄弟たちが支え合い、絆を深めていく姿に、読者は勇気づけられ、心がほっこりと温まることでしょう。
家族の大切さ、絆の強さを感じさせてくれる作品です。ぜひ、多くの方に読んでいただきたい漫画です。
パステル家族 (セイ)
「パステル家族」は、個性豊かな登場人物たちの日常を描いた、ほっこりとした気分になれる漫画です。
高校生のマヨ、ゲーマーの大学生の兄タクオ、小学生の弟ほのめの3人兄弟が暮らす明河原家を中心に、彼らの何気ない日々が描かれています。
朝ご飯を一緒に作ったり、ゲームで競い合ったり、猫を拾ったりと、それぞれの個性が光るエピソードが満載です。
基本的にはコメディタッチですが、時折感動的なお話もあり、読み応えがあります。
ストーリー性よりも、普通の日常を眺めてほっこりとした気分になりたい方におすすめの作品です。
家族や友人との何気ない日常を大切にしたい方や、ゆるくて温かみのある漫画が好きな方にぴったりの一冊だと思います。
日々の忙しさから少し離れて、「パステル家族」の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
きっと心が和むひとときを過ごせるはずです。
うさぎドロップ (宇仁田ゆみ)
「うさぎドロップ」は、30歳独身男性の河地大吉が、祖父の隠し子である女の子・鹿賀りんとの出会いから始まる、子育てに全力で向き合う物語です。
親族からやっかい者扱いされるりんを引き取ることを決めた大吉は、仕事と育児の両立の難しさに直面します。しかし、りんのために残業のない部署へ異動するなど、彼女を優先した生活を選択します。
大吉との生活の中で、りんは徐々に周囲との関わりを深め、明るい一面を見せるようになります。一方、りんの母親の消息が掴めない中、母子手帳の不自然な箇所から、母親が祖父の元お手伝いの吉井正子であることが判明します。
大吉は正子と面会しますが、彼女の未熟な態度とりんへの執着のなさに反発を抱きます。それでも、大吉はりんと向き合い、全力で子育てに取り組んでいきます。
子育ての経験がある方にとっては、大吉の奮闘ぶりに共感し、応援したくなる作品です。また、これから子育てを始める方にとっては、育児の大変さと、子どもと真剣に向き合うことの尊さを感じられる作品となっています。
461個の弁当は、親父と息子の男の約束。 (渡辺俊美)
「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」は、お弁当を通して描かれる父と息子の絆の物語です。ミュージシャンの渡辺俊美さんが実際に体験したエピソードをもとに、親子の愛情や絆を丁寧に描いています。
毎日欠かさず息子のために作られるお弁当には、栄養バランスや見た目への配慮だけでなく、父親の愛情がたっぷりと詰め込まれています。言葉で直接伝えることが苦手な父と息子ですが、お弁当を介して互いを思いやる気持ちが温かく伝わってきます。
この漫画は、親子関係や家族の絆について考えさせられる作品であり、世代を問わず多くの人に共感してもらえるでしょう。日々の生活の中で、家族への愛情を示す方法は様々ありますが、この作品では「お弁当」という形で表現されています。家族を大切にしたい、絆を深めたいと願う全ての人におすすめしたい1冊です。
海街diary (吉田秋生)
「海街diary」は、三姉妹と思いがけず出会った異母妹の心温まる物語です。父親の訃報をきっかけに、姉妹たちは互いの存在を知ることになります。長女の幸は、父親への複雑な思いを抱えながらも、妹たちを思いやる優しさを見せます。次女の佳乃と三女の千佳は、父親との思い出がほとんどないものの、異母妹のすずと出会い、家族としての絆を感じ始めます。一方、すずは両親を亡くし、心に傷を負っていますが、姉たちとの出会いによって、新しい家族の温かさを知ります。この物語は、離れ離れになった家族が再び繋がり、支え合っていく過程を丁寧に描いています。日常の何気ない出来事の中に、家族の絆や優しさが溢れています。過去の傷や苦しみを乗り越え、新しい家族としての一歩を踏み出す姉妹たちの姿に、心が温まる作品です。
セブンティウイザン (タイム涼介)
「セブンティウイザン」は、高齢夫婦の出産物語を描いた、ユニークで心温まる漫画です。65歳で定年退職を迎えた江月朝一は、70歳の妻・夕子から突然の妊娠報告を受けます。最初は信じられない朝一でしたが、夕子の強い出産への意思を知り、二人で超高齢出産に挑戦することになります。
ゆるいタッチの絵柄ですが、高齢夫婦の不安や喜び、子どもへの愛情などが丁寧に描かれており、読者の心を掴みます。妊娠・出産・子育ての過程で、夫婦の絆がより深まっていく様子も感動的です。時には笑い、時には涙する、温かくも切ない物語が展開されます。
また、3歳になったみらいが幼稚園に通い始め、幸せな日々を送る中、朝一ががんを告知されるなど、現実的な問題にも直面します。しかし、家族の絆と愛情で乗り越えていく姿は、読者に勇気と希望を与えてくれるでしょう。
年齢を重ねても新しい挑戦を続ける夫婦の姿は、読者の心を温かく包み込みます。「セブンティウイザン」は、家族の大切さを改めて感じさせてくれる、おすすめの漫画です。
ちちこぐさ (田川ミ)
「ちちこぐさ」は、子育てに奮闘する不器用な父親の姿を描いた心温まる漫画です。主人公のトラ吉は、最愛の妻を亡くし、息子のシロウと二人で旅をしながら薬売りの仕事をしています。シロウは母親を亡くした悲しみからか、なかなか父親になつかず、トラ吉は子育ての難しさに直面します。
しかし、不器用ながらも真摯に子育てと向き合うトラ吉の姿は、読者の心を打ちます。日常の中で起こる様々な出来事を通して、トラ吉は父親としての責任と愛情に気づき、少しずつ成長していきます。子育ての喜びや悩み、そして親子の絆の大切さを描いたこの作品は、子育て中の方にこそ読んでいただきたい1冊です。
「ちちこぐさ」は、子育ての難しさと素晴らしさを同時に伝えてくれる、心に残る作品です。ぜひ、この漫画を通して、子育ての奥深さと親子の絆の大切さを感じてみてください。
あたしンち (けら えいこ)
「あたしンち」は、タチバナ家の笑いが絶えない日常生活を描いた漫画です。母、みかん、ユズヒコ、父の4人家族のほのぼのとした絵のタッチで、家庭や学校、ご近所などでの、なんでもない日常が描かれています。
この漫画の最大の魅力は、どこの家庭でも交わされていそうなやりとりや、よく起こりそうな問題が登場することです。家族間のコミュニケーションや、子供たちの成長過程での悩みなど、リアルな描写が読者の共感を呼びます。
また、つい笑ってしまいそうなユーモアも満載で、家族のほっこりとした雰囲気が伝わってきます。子供から大人まで、幅広い世代が楽しめる内容となっています。
1994年の連載開始以来、長年愛され続けている「あたしンち」は、2016年1月時点で累計部数が1200万部を記録するなど、多くの読者に支持されています。日常生活の中にある小さな幸せや家族の絆を感じられる、心温まる作品です。ぜひ一度手に取ってみてください。
おかあさんとごいっしょ (逢坂みえこ)
「おかあさんとごいっしょ」は、母と娘の複雑な関係性を繊細に描いた漫画です。主人公の今日子は、結婚を機に母からの束縛に気づき、自立への道を模索し始めます。しかし、出産後は育児に戸惑う今日子を母が支え、二人の関係性は新たな局面を迎えます。
この作品は、母への愛情と息苦しさが入り混じる、リアルな親子関係を巧みに表現しています。今日子の葛藤や成長、そして母の献身的な愛情を通して、親子の絆の深さと難しさが伝わってきます。
「おかあさんとごいっしょ」は、親子関係について考えさせられる示唆に富んだ作品です。母と娘の距離感を見つめ直したい方、親子関係の複雑さに共感できる方におすすめの一冊です。ぜひ手に取って、今日子と母の物語に触れてみてください。きっと、自分自身の親子関係を振り返るきっかけになるはずです。
の、ような。 (麻生海)
「の、ような。」は、血のつながりを超えた家族の絆と、互いを思いやる心の大切さを描いた感動的な漫画です。主人公の希夏帆は、恋人の愁人が連れてきた2人の少年との共同生活を通して、新しい家族の形を見出していきます。
初めは戸惑いながらも、少しずつ互いを知り、理解し合おうとする4人の姿に、読む人の心は温かくなります。中学2年生の冬真と5歳の春陽との交流を通して、希夏帆と愁人も成長していく様子が丁寧に描かれています。
血縁関係がなくても、心を通わせ、支え合うことの大切さを教えてくれるこの作品は、家族の意味を考えさせられる感動的なストーリーです。様々な背景を持つ人々が、一つ屋根の下で暮らしながら、真の家族になっていく過程は、読む人に勇気と希望を与えてくれるでしょう。
人と人との繋がりや、思いやりの心の大切さを改めて実感できる「の、ような。」は、多くの人にぜひ読んでいただきたい作品です。
祖母の髪を切った日 (しかばね先生)
漫画「祖母の髪を切った日」は、誰もが直面する可能性のある認知症という難しい問題を扱っています。著者自身の経験に基づいたこの物語は、祖母に支えられた子供時代から、多忙な日々で祖母を顧みなくなってしまった大人になるまでを描いています。そして、いつの間にか祖母が認知症になっていたことに気づくのです。
この漫画は、祖母への大切な思いと、顧みなかったことへの後悔、そして介護の難しさから生じる苛立ちなど、孫としての複雑な心の動きを繊細に表現しています。読者は、登場人物の感情に共感し、自分自身や身近な人の将来について考えさせられるでしょう。
認知症は多くの人が直面する可能性のある問題であり、この漫画はそれを身近に感じさせてくれます。家族の絆や介護の大変さ、そして何より大切な人を思う気持ちについて考えるきっかけを与えてくれる作品です。人生の様々な段階で直面する問題と向き合う勇気と、家族を大切にする気持ちを呼び起こしてくれるでしょう。