ふつうの軽音部 (クワハリ,出内テツオ)
オトコ編2位にランクインした「ふつうの軽音部」は、連載開始からわずか1年で大ブレイクした新世代の青春バンド漫画です。この作品は、次にくるマンガ大賞2024 Webマンガ部門1位も受賞し、多くの読者から支持を集めています。物語は、邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろが、初心者ながらも憧れのギターを手に入れ、念願の軽音部に入部するところから始まります。彼は個性豊かな部員たちに囲まれ、戸惑いながらもバンドを結成し、音楽を通じて成長していく姿が描かれています。
この漫画のおすすめポイントは、等身大の高校生たちが織りなすリアルな青春ドラマです。キャラクターたちが直面する悩みや葛藤は、読者自身の学生時代を思い起こさせ、共感を呼びます。また、音楽に対する情熱やバンド活動を通じての成長が、心温まるストーリーとして描かれています。さらに、デジタル版では「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページが完全収録されており、視覚的にも楽しめる要素が満載です。音楽と青春をテーマにしたこの作品は、音楽好きな方や青春ドラマが好きな方に特におすすめです。
どくだみの花咲くころ (城戸志保)
オトコ編3位にランクインした「どくだみの花咲くころ」は、城戸志保による繊細な感情描写が光る作品です。この漫画は、日常に潜む感情の機微を丁寧に描き出し、読む人の心に静かに染み渡ります。物語は、クラスで浮いた存在である信楽と、何でもそつなくこなす優等生・清水の出会いから始まります。信楽の予測不能な行動と、彼が作り出す独創的な紙粘土作品に心奪われた清水は、彼を遠くから観察するようになります。
ある日、偶然にも信楽が近所の空き地に入っていく姿を目撃した清水は、その後を追います。そこで目にしたのは、独創的な形をした草人形。信楽のアートに触れた清水は、彼の世界にどんどん引き込まれていきます。この作品は、優等生と問題児という対照的な二人の不穏で愉快な友情物語を描いており、読者に新たな視点を提供します。
「どくだみの花咲くころ」は、感情の深層を探ることで、登場人物たちの成長や変化をリアルに描写しています。読者は、彼らの友情が育まれる過程を通じて、自己理解や他者理解の重要性を再認識することができるでしょう。この作品は、心の奥底にある感情を呼び覚まし、読者を新たな感動の旅へと誘います。
路傍のフジイ (鍋倉夫)
「このマンガがすごい!2025 プロが選んだ今読むべき漫画10選」のオトコ編5位に選ばれた『路傍のフジイ』は、鍋倉夫による「偉大なる凡人の日常」を描いた作品です。この作品は、何でもない日々の中にある小さな幸せと哲学がじんわりと心に響く、まさに現代のニューヒーロー「フジイ」を通じて、読者に新たな視点を提供します。
主人公のフジイは、職場では空気のような存在感の独身男性ですが、その生き方は破格の格好良さを持っています。彼はコスパや承認欲求、社会的地位といった現代の価値観に縛られず、独自の哲学で日々を過ごします。この姿勢が、読者にとっては爽快で、同時に考えさせられるものです。フジイの生き方を通じて、私たちが普段見過ごしている小さな幸せや、日常の中に潜む深い哲学を再発見することができるでしょう。
鍋倉夫氏の前作『リボーンの棋士』で見せた才能が、本作でも遺憾なく発揮され、令和の新たなヒーロー像を描き出しています。フジイというキャラクターが、私たちの固定観念を打ち破り、幸せの概念を新たに構築していく様子は、読む者にとって大きな刺激となること間違いありません。この作品を通じて、日常の中に潜む深い意味を見つけ出す旅に出てみてはいかがでしょうか。
カグラバチ (外薗健)
オトコ編6位にランクインした漫画「カグラバチ」は、外薗健によるスタイリッシュな剣戟アクションが魅力の作品です。刀匠を志す少年チヒロが主人公で、彼は父のもとで日々修行に励んでいました。しかし、平和で笑いの絶えない日常は、ある日突然の悲劇によって一変します。血塗られた絆と失われた日常に直面したチヒロは、憎しみを胸に秘め、決意の炎を心に宿します。
この作品のおすすめポイントは、まず何と言っても迫力満点のバトルシーンです。刀を駆使したアクションは緊張感に満ちており、読者を引き込む力があります。また、海外からも高く評価されている画力は、キャラクターの表情や動きを細部まで丁寧に描き出し、ストーリーの緊張感をさらに高めています。
さらに、「次にくるマンガ大賞2024コミックス部門1位」を獲得したことからも分かるように、物語の深みとキャラクターの成長が多くの読者の心を捉えています。チヒロの成長物語は、彼の内面的な葛藤や外的な試練を通じて描かれ、読者に感動と共感を与えます。「カグラバチ」は、アクションとドラマを兼ね備えた、今読むべき一冊です。
環と周 (よしながふみ)
漫画「環と周」は、よしながふみが描く珠玉の連作短編集で、2025年の「このマンガがすごい!プロが選んだ今読むべき漫画10選」のオンナ編1位を獲得しました。この作品は、「環」と「周」という2人のキャラクターが転生を繰り返し、様々な時代でめぐり合う運命を描いています。物語は、時代や性別、関係性を超えて「好き」という感情がどのように形を変えていくのかを、繊細に描き出しています。
特におすすめしたいポイントは、よしながふみの卓越したストーリーテリングとキャラクター描写です。例えば、娘が友人の女生徒とキスしているのを見てしまった母・環が夫に相談するエピソードでは、親としての葛藤や、過去の自分の恋を思い出す父の視点が巧みに交錯し、読者に深い感動を与えます。このように、個々のエピソードがオムニバス形式でありながらも、全体として一つの大きな物語を形成している点が魅力です。
また、時代背景や文化的要素を丁寧に描写することで、読者はまるでその時代に生きているかのような没入感を味わうことができます。多様な「好き」の形を探求するこの作品は、読む人に新たな視点を提供し、心に残る読書体験を約束します。
恋とか夢とかてんてんてん (世良田波波)
「このマンガがすごい!2025」オンナ編2位に輝いた『恋とか夢とかてんてんてん』は、世良田波波が描く等身大の恋愛模様が注目を集めています。マガジンハウスのWebマンガサイト「SHURO」で連載が始まるやいなや、若者のリアルな感情と日常が瑞々しく描かれ、多くの共感を呼びました。2023年の年間PV数1位を獲得したこの作品は、やるせない日常と片想いの心情を圧倒的解像度で描いています。
物語の主人公は、夢を追って上京して10年が経つ29歳のフリーター・カイちゃん。彼女の生活は平凡で、かつて憧れた東京生活が今では苦痛になっています。しかし、そんな彼女が一筋の光を見つけ、人生を変えるような恋に落ちます。カイちゃんの片想いは、彼女の心を揺さぶり、平常心を失わせるほどのもので、その過程が丁寧に描かれています。
この作品のおすすめポイントは、カイちゃんのリアルな心情描写と、彼女が抱える夢や恋の葛藤が、読者の共感を呼ぶ点です。恋に悩み、夢を追いかける彼女の姿は、多くの人が共感できるものであり、読む者の心を強く揺さぶります。等身大のキャラクターたちが織り成す物語は、切なさや愚かさ、必死さが痛いほど心に響き、読者を引き込む魅力に溢れています。
じゃあ、あんたが作ってみろよ (谷口菜津子)
**このマンガがすごい!2025 プロが選んだ今読むべき漫画10選**
オンナ編4位に選ばれた谷口菜津子の「じゃあ、あんたが作ってみろよ」は、料理×人間ドラマというテーマを巧みに描いた作品です。この漫画は、社会人カップルの勝男と鮎美を中心に展開され、彼らの6年にわたる交際と同棲生活の中で訪れる転機を描いています。
この物語の魅力は、料理を通じて人間関係を見つめ直すという斬新なアプローチにあります。慣れない料理に挑戦することで、勝男と鮎美は今までの「あたりまえ」を再評価し、互いの関係を深めていきます。料理という日常的な行為が、彼らの内面的な成長や絆の強化に繋がる様子が丁寧に描かれており、読者に共感を呼び起こします。
また、タイトルのインパクトも抜群で、物語の核心を端的に表現しています。さらに、単行本には描き下ろし漫画が収録されており、電子版では雑誌収録時のカラーページも楽しめる点も見逃せません。料理を通じた新しい恋物語を味わいたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
ファミレス行こ。 (和山 やま)
「このマンガがすごい!2025 プロが選んだ今読むべき漫画10選」のオンナ編6位に輝いた「ファミレス行こ。」は、和山やまの独特のユーモアが光る作品です。和山やまは、「カラオケ行こ!」でその名を知らしめましたが、今回もその才能を存分に発揮しています。
物語は、大学1年生の岡聡実くんが、東京で「普通の大人」になるために奮闘する中、ひょんなことから始めた深夜のファミレスのアルバイトを舞台に進行します。ファミレスという日常的な場所が、個性豊かなキャラクターたちの交流の場として描かれ、クセになる面白さを提供します。
特におすすめのポイントは、ファミレスに集うキャラクターたちの多様性です。マンガ家の北条先生やマンガオタクの先輩・森田さん、さらには過去に出会ったヤクザの成田狂児など、彼らとのやりとりが聡実くんの日常に新たな風を吹き込みます。これらのキャラクターたちが織りなす物語は、笑いと感動を呼び起こし、読者を飽きさせません。
「ファミレス行こ。」は、日常の中に潜む非日常を見事に描き出し、読者に新たな視点を提供します。和山やまのユーモアと深夜のファミレスという舞台が織りなす物語は、一度読み始めたら止まらない魅力を持っています。
突風とビート (椎名軽穂)
漫画「突風とビート」は、このマンガがすごい!2025のオンナ編で8位にランクインした作品で、『君に届け』で知られる椎名軽穂が描く新たな青春物語です。この作品は、胸キュン必至の王道青春漫画として、多くの読者の心を捉えています。物語の主人公は、高校1年生のニケとネモ。ニケは霊が視えるという非日常的な能力を持ちながらも、それを日常として受け入れて生活しています。ある日、学校に来なくなった同級生ネモの家を訪れたニケは、そこが元気な霊たちであふれていることに驚かされます。この不意の再会をきっかけに、二人の運命的な物語が始まります。
この作品のおすすめポイントは、まず何と言ってもその独特な設定です。霊が視えるというファンタジックな要素が、青春ラブコメディの中に巧みに織り込まれており、読者に新鮮な驚きと楽しさを提供します。また、椎名軽穂の描くキャラクターたちは、それぞれが非常に魅力的で、特にニケとネモの関係性の変化や成長が丁寧に描かれているため、読者は彼らの物語に引き込まれていきます。さらに、コミカルな要素とシリアスな要素がバランスよく配置されており、笑いあり涙ありのストーリー展開が楽しめます。青春の瑞々しさと不思議な世界観が融合したこの作品は、まさに今読むべき一冊です。
君と宇宙を歩くために (泥ノ田犬彦)
漫画「君と宇宙を歩くために」は、不器用なヤンキー高校生・小林と、挙動不審な転校生・宇野の心温まる友情物語です。この作品は「このマンガがすごい!2025 プロが選んだ今読むべき漫画10選」でオトコ編1位を獲得し、さらにマンガ大賞2024も受賞した大注目作です。
物語は、勉強もバイトも続かずドロップアウト気味な小林が、ある日クラスに転校してきた変わり者の宇野と出会うところから始まります。小林が先輩から怪しいバイトに誘われた際、宇野が彼を助けたことで、2人の距離は一気に縮まります。宇野の生き方に触れることで、小林は自分も変わろうと奮闘し始めます。
この作品の魅力は、「普通」が苦手な2人が互いに理解し、支え合いながら成長していく姿にあります。彼らが壁にぶつかりながらも楽しく生きるために努力する様子は、読者に感動を与え、涙を誘います。友情や成長、そして自分らしさを模索する姿に共感し、心を打たれること間違いありません。ぜひ、この心温まる友情物語を手に取ってみてください。









